こだわりびとをたずねて「へぎ作家・工藤茂喜さん」

毎月、第一、第二月曜日の17時からお届けしている「アピオ presents こだわりびとをたずねて」植松哲平が愛車ジムニーに乗って、こだわりを持つプロフェッショナル=「こだわりびと」を訪ねてお話を伺っていきます!
この日哲平さんがジムニーで訪れたのは、神奈川県鎌倉市にあるとある一軒家。お話を伺ったのは、へぎ作家の工藤茂喜さんです。
「へぎ」というのは割り裂くという意味の”へぐ”という動詞からきていて、新潟のへぎ蕎麦も割っただけの木の上に蕎麦を乗せたことから、という説もあるそうです。
また、へぎの作品は木を割ってみないと、どんな木目になっているかわからないので、一度割ってみてどんな作品を作るかを決めるんだそうです。
こちらの丸太のような入れ物も、へぎの作品。
芸術大学で漆芸を学んでいた工藤さん、仏師をしている芸術大学時代の友人からインスピレーションを受け、 工芸に転用できるのではないかと考え、へぎを始めたんだそう。
元々は一つの木材だった木の板をへぎ、ナンバリングも施したこちらは、お皿。お寿司屋さんからの注文が多いそうですが、お値段は8万円。
仕入れてくるときは、あえて節のあるものを買ってくるんだそう。材木は節目がない方が高価なんだそうですが、それは節がある方が、綺麗に割れすぎないので良い作品ができるのだそう。
切る、ではなく割ることで繊維を切らずにいられるので強度が段違いで増すんだそうです。
哲平さんもいざ挑戦!
工藤さんの奥様は芸術大学・漆芸科の同級生で、現在は金継ぎの先生。若い頃は経済的には潤沢ではなく、どちらかが展覧会を開くと嫉妬するようなこともあったんだそう。
今後は、「使えないものを作っていきたい」工芸は使えるところに甘えてしまっているところがあり、「何に使えるかわからないけど欲しい!」と言われるようなものを作るのが目標なんだそう。
こちらは木のハンドバッグ。ブナコという技法でブナの木を巻いて作ってあるんだとか。
工藤さんのこだわりは、自然の素材を加工しないで、活かしながら自分を表現していきたい。1つの木を割ることで2つの素材にはなるけれど、合わせるとピッタリ合い、それぞれ個性があるのに融合するという、そういう考えがあれば人間関係もうまくいく。へぎ作家である工藤さんならではの考え方ですね。
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