今日のゲスト「山口智史」さん #RADWIMPS #慶應義塾大学SFC研究所 #山口智史

今日はスタジオにRADWIMPSのドラマーで、慶應義塾大学SFC研究所所員の山口智史さんをお迎えしました!!
Tresen初登場で植松さんもあんにゅさんも対面するのはこの日がはじめまして。
ですが、山口さんは“バリバリのハマっ子”ということで、Fヨコを聴いて育った筋金入りのFヨコリスナー!
バンドとしては20年程前に『RADWIMPSの金9!』にもご出演されていた山口さん。
あんにゅさんはなんと、当時この番組のリスナーで、ステッカーも大切に持っているのだとか!
今思えば「ギリギリの発言」も多かった番組だったそうで、20年越しにスタジオから当時の関係者の皆さんへ感謝のご挨拶をされていました(笑)
1曲目にお送りしたのはRADWIMPSで『愛し』。 放送中、ふと「懐かしい」「嬉しい」とつぶやいてらっしゃいました。
『金9!』も実は今のTresenと同じスタジオから生放送されていたということで、さまざまな思い出がよみがえってきた様子でした…!!
山口さんは2009年頃に無意識に筋肉が異常に緊張して自分の意思でコントロールできなくなるジストニアの一つである“ミュージシャンズ・ジストニア”を発症。
RADWIMPSの活動を休止して10年が経過しました。
山口さん自身も「最初の頃は何が起きているのかさっぱり分からなかった」と当時を振り返ります。
“ミュージシャンズ・ジストニア”とは、例えばピアニストが“ドレミファソラシド”と簡単な音階も、自分の意思に反してまったく弾けなくなってしまうような状態で、山口さんにその症状が出始めたのは、ツアーの真っ最中でした。
「反復動作」によって発症するといわれるこの症状。
美容師のハサミの動きや料理人の包丁の動き、そしてミュージシャンでは1〜2%が発症するとのことで意外にも多い病気です。
近年では特にドラマーの間で増加傾向にあり、調査では医療機関で診断されたドラマーは8.9%にも及ぶというデータもあるそうです。
それでも発症した当初は、「練習すればカバーできる」「病院に行くほどのことなのか?」と思ってしまう人が多く、山口さんも同じように「疲れてるのかな…」と考えていたそうです。
音自体は出せているけれど、変な力が入って引っかかるような感覚。
そしてなにより、初歩的な・簡単なテクニックができなくなることの精神的ダメージは非常に大きかったと語ります。
2020年、慶應義塾大学の藤井進也准教授と出会ったことが転機に。
自らもドラマーで、「音楽神経科学」の研究者である藤井先生とともに、「ミュージシャンズ・ジストニア」の共同研究をスタートさせました。
その後、「足でできないことを“声”でやろう」という発想にたどり着きます。
「ドン!」と声を出すと、それがバスドラムを鳴らす仕組み。
実は山口さん、ドラムの練習過程でもまずは口でリズムを刻むようにしていたため、「声を使う」というのは非常に自然な選択肢だったそうです。
最初はヘドバンで試してみたものの、「首がしんどすぎて2秒で諦めた」と笑いながら明かしてくれました。
左足への切り替えは、山口さんの場合、左足にも症状があるため難しく、「ドラマーは基本的に口が空いていることが多い」→「じゃあ、声を使えるじゃん!」とひらめいたのだとか。
さらに、アメリカでの2ヶ月間の研究生活の中で出会ったのが和太鼓。
「サトシ、ドラマーなんでしょ?」と誘われ、参加してみると、叩き方を「ドン」「カッ」と“カタカナ”で「口伝」で教えられたのが更にヒントに。
ドラムも太鼓なのだから、「この感覚、使えるかも」とインスピレーションを受けたそうです。
YAMAHAにも自ら「口でバスドラを鳴らしたいんです!」と交渉に。
喉仏あたりにセンサーを貼り、マイクで声を拾ってバスドラムを鳴らすという新しいシステムを実現しました。
その成果発表として昨年末には9年ぶりのステージに…!! 山口さんの感想はただひとこと「楽しすぎた…!!」
ジストニアによって本来の力の5%くらいしか発揮できなかったなかで、なんと95%も出せたと感じられたそうです。
「200%とは言えないけど…」と前置きしつつも、大きな一歩となるライブでした。
音楽を心から愛して、RADWIMPSと自身のドラムに誇りを持ち続けてきた山口さん。
8.9%という数字の裏に、同じように苦しんでいる人たちがいるという事実に強く心を動かされているといいます。
「『VXD』のような技術が、そうした人たちの“光”になれるのであれば」。
さらには、なぜこんなにも発症率が高いのかという環境要因も研究し、“ジストニアを発症する人を一人でも減らしたい”という想いを、真摯に語ってくださいました。
そして最後にお届けしたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの『リライト』。
“偉大なる横浜の先輩バンド・先輩ドラマー”として尊敬する存在であり、この先、自分が向かっていく未来に繋がる気がして選曲した一曲だそうです。
帰り際には今回自身の研究やVXDについての想いを伝えられ、そして20年ぶりにFヨコに戻ってこれたことに懐かしさを感じられつつFヨコを後にされました…!! またスタジオでお待ちしています~~!!
M1. 愛し / RADWIMPS
M2. リライト / ASIAN KUNG-FU GENERATION
ソロツアー『The Past Can Be Changed - Talk and VXD live performance-』
2025年9月22日(月) @新横浜NEW SIDE BEACH!!
追加公演
7/23まで先行予約受付中!!
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7月14日(月) ゲスト:山口智史(RADWIMPS/慶應義塾大学SFC研究所所員)(本日のTresen)