鉄道開業の地・横浜から、

今日も鉄分が上がっちゃう話をお届けします！

 

 

ワンマン車掌の鉄分乗々↑↑

 

 

 

今日は・・

 

 

「長い事やっている・・のに!?」

 

 

です。

 

 

 

3月6日午前11時半ごろ、東北新幹線の上野〜大宮間で、連結して走行していた秋田行きの「こまち」と新青森行きの「はやぶさ」が分離し、どちらも線路上で緊急停車するというトラブルが発生しました。

 

 

このトラブルで、およそ3時間にわたって運転できなくなり、この区間は上越新幹線や北陸新幹線の列車も走る区間だったため、これらの各新幹線も含め、当日は大幅にダイヤが乱れました。

 

 

さて、この列車分離トラブルで「連結運転」や「連結走行」というキーワードを多く耳にした方も多いと思いますが、そもそも、なぜ新幹線で連結運転をしているのでしょうか？

 

 

 

 

 

 

この「新幹線の連結走行」は、車両故障などの緊急時を除くと、今回トラブルが発生した東北新幹線のみで実施されているものですが、実は1992年から30年以上も実施されている、長い歴史がある運行方法です。

 

 

きっかけは、1992年に運行が始まった山形新幹線「つばさ」です。この山形新幹線は、東京〜福島間は東北新幹線の線路を走り、福島から山形方面は既存の在来線である奥羽本線を走るというルートでした。そこで、東京〜福島間は、仙台方面へ向かう「やまびこ」と山形方面へ向かう「つばさ」を連結して運行し、福島駅で切り離してそれぞれの方面へ向かうという運行スタイルになったのです。

 

 

このようにすれば、同じ東京〜福島間を走る2列車が1つになるため、この区間の運転士は1人で済む事になります。また、東北新幹線の東京〜大宮間は、上越新幹線の列車なども走っており、設定出来る列車本数や使える空きホームの数が限界に近い状態のため、2列車を1本として運行出来るのは、ダイヤ上においても大きなメリットとなるのです。

 

 

そして、この連結走行は、その後1997年に運行が始まった秋田新幹線「こまち」でも採用されました。秋田新幹線の場合、東京〜盛岡間は東北新幹線を走り、盛岡〜秋田間は在来線の田沢湖線・奥羽本線を走るルートなのですが、東京〜盛岡間で東北新幹線の「はやぶさ」（当初は「やまびこ」）と連結して走り、盛岡駅で下りは切り離し・上りは連結作業が行われています。

 

 

一方で、単純に「輸送力増強」という理由で連結運転している場合もあります。というのも、東北新幹線の車両と秋田新幹線もしくは山形新幹線の車両を連結すると、10両＋7両で17両編成となるため混雑緩和に大きく貢献します。そのため、東北新幹線内のみで完結する列車でも、時間帯によっては山形新幹線や秋田新幹線の車両を連結した編成を充てて、大量輸送を実現しています。

 

 

また、2021年まで運行していたオール2階建て車両「E4系」は、8両編成ですが、2つの編成を連結して16両編成で運行する事が可能でした。連結した場合の座席数は、オール2階建てという事もあり1600席以上！高速走行車両としては、世界最大の座席数を誇るマンモス新幹線として活躍しました。

 

 

 

 

 

 

このように、長い歴史を持っている新幹線における連結運転。しかし、そんな中起きてしまった先日のトラブルを受け、JR東日本は新幹線における連結運転を一時的に取りやめると発表しました。山形新幹線は福島〜山形・新庄間のみの運転に、秋田新幹線は盛岡〜秋田間のみの運転となり、連結運転での東京直通が一時的に中止になったのです。（もともと連結運転無しだった山形新幹線の1往復は全区間運転を継続）

 

 

一時的とはいえ、急遽、東京駅への乗り入れが無くなってしまった山形新幹線と秋田新幹線。そのため、この2つの列車を利用する予定だった人は、まずは東北新幹線の列車に乗り、山形新幹線の場合は福島駅、秋田新幹線の場合は盛岡駅まで向かい、そこで乗り換える事になってしまいました。

 

 

特に、盛岡駅は新幹線ホームの空いている番線が足りないため、区間運転の「こまち」は、3階の新幹線ホームではなく地上の在来線ホームに発着しており、乗り換えには一定の距離の移動と時間がかかっています。

 

 

 

 

 

 

また、東京〜福島もしくは盛岡間を結ぶ列車が満席のため、この区間、やむを得ずデッキに立って移動するというケースも発生しており、「一度座ったら目的地」の直通運転とは正反対の不便さを強いられる利用者が多く発生する事態になってしまいました。

 

 

なお、JR東日本は本日(11日)、現時点での調査状況と当面の対策を発表。当面の対策として、連結して走行している際に、何らかの電気的な異常が発生しても連結器が分割することがないよう、動作機器を固定する器具を連結作業をする際に取り付けるとの事です。そして、この対策が始まるため、3月14日から順次連結運転を再開し、3月15日からは所定のダイヤでの運転を予定しているとの事です。

 

 

 

実は、昨年秋にも新幹線列車の分離トラブルが発生しているJR東日本。これまで長い事続いてきた連結運転ですが、ここにきて急にトラブルが続いています。なお、列車分離が万が一発生しても、後ろ側になる車両に強いブレーキがかかるよう設計されています。そのため、分離した車両同士の衝突は発生しないとの事ですが、とはいえ時速320kmで走る事が出来る車両が走行中に分離するというのは、大変危険な事です。

 

 

現在も運輸安全委員会による調査が続いており、詳しい原因や調査結果が出るのはまだ時間がかかりそうですが、このトラブルは、「速さ」「快適さ」「時間の正確さ」、そして何よりも「安全」が売りの新幹線ブランドにおいて、その築いてきた信頼が一瞬にして失われてしまう可能性がある、とても大きなトラブルです。3回目が起きないよう、しっかりとした原因調査、対策が求められます。

 

 

 

 

さて、本日、車掌がお届けしたナンバーは、

 

 

「Eric Clapton」の『Change the World』でした！

 

 

今週の土曜日(15日)は、いよいよ春のダイヤ改正。JR各社をはじめ、多くの私鉄でもダイヤが変更になります。みなさんのいつも使っている路線や駅も、ダイヤがチェンジしているかもしれません。利用前に是非確認してみてくださいね！

 

 

 

というわけで、

今日もご乗車ありがとうございました！

 

 

この回の模様は、3月18日（火）の29時まで

radikoの↓タイムフリー↓で聴けます！

コーナーは18:00ジャストから始まってます！

 

【ワンマン車掌の鉄分乗々 3月11日分 を聴く！】

 

 

来週もお楽しみに！