こだわりびとをたずねて「三富染物店」

毎月、第一、第二月曜日の17時からお届けしている「アピオ presents こだわりびとをたずねて」植松哲平が愛車ジムニーに乗って、こだわりを持つプロフェッショナル=「こだわりびと」を訪ねてお話を伺っていきます!

今月、哲平さんがジムニーで訪れたのは三浦市三崎にある「三富染物店」さん。

お話を伺うのは、七代目・三冨由貴さんです。

創業 190 余年の歴史をもち、神奈川県で唯一「大漁旗」を製作している「三富染物店」江戸時代は幕府の御用職人として戦の幟(のぼり)や藍染で半纏(はんてん)などを染めていましたが、その後、大漁旗を染めるようになり、現在に至るそう。「かながわ名産 100 選」にも選ばれています。

後ろに飾ってある旗は、中くらいのサイズでおおよそ畳3枚分。一番大きいマグロ船などで使う旗は、畳8枚分くらいの大きさなんだそうです。これを一から手作業で書いて、仕上げるのが三富さんのお仕事。

そもそも大漁旗は、陸で待っている家族に向かって、大漁を知らせるための信号機的な役割を果たし、そのほかにも昔は船があまり丈夫ではない木造だったためいち早く「帰ってきた」という合図でもあったんだそう。なので昔は現在のように絵柄などなく船の名前と祝・大漁としか書いてないものだったんだそう。

現在は、新しい船を出帆するときに、お友達や関係者がお祝いとして船の名前と下の方に送る人の名前を記載して贈るという文化があるんだとか。最低でもどの船も20〜30本の旗が立つんだそう。三富さんも一番すごい時で一番大きな畳8枚分の旗を100本作ったそうです。

続いて三富さんの作業場へ。大漁旗は、まず米糠と餅米を混ぜた素材(1時間煮る)で下地を描く”のりおき”という作業から始まります。こののりおきという作業を習得するのにはとても時間がかかり、三富さんも10年かかったんだそう。

のりおきをしている部分は色に染まらないので、その線をにそって染付(色塗り)をしていきます。ちなみにこの作業場は、色が早く乾いてしまうためエアコンがNG。

哲平さんも染付を体験させていただきました。



↓(下から見るのもポイント)


↓(その後、乾かし完成したものをスタジオに送っていただきました)

三富さんのこだわりは、「気持ちを込めて作る」印刷物とは違い人と人との繋がりを形にする。大漁になるように、節句用なら子供がすくすく成長するようにと心を込めて製作するようにしているんだそうです。

哲平さんが体験させていただいた染付の体験は、実際に体験することができますので、気になる方は是非ホームページなどをチェックしてみてください!

 

三富染物店
〒238-0243
神奈川県三浦市三崎1-10-9
TEL / 046-881-2791
三浦縦貫道路 林ICから20分

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