アナタののぞみを乗せて！ #ワンマン車掌

2022.01.27 - ワンマン車掌の鉄分乗々↑↑

今日も鉄分上がっちゃう話をお届けします！

ワンマン車掌の鉄分乗々↑↑

今日は・・

「アナタののぞみを乗せて！」

です。

今年は、鉄道開通150周年という節目の年なのですが、それ以外にもいろいろな周年が重なっている年でもあります。その中の一つ、東海道新幹線の「のぞみ号」が誕生して30年という年であるのをご存知でしょうか!?

のぞみ号は、1992年3月のダイヤ改正で誕生しました。以前このコーナーでもご紹介しましたが、列車名は、作家やタレントとして活躍されている阿川佐和子さんが仰った言葉がきっかけで誕生しています。そんなのぞみ号のデビュー当時のダイヤは1日2往復のみ。しかも、時間は始発と終電付近だったため、レア列車に近い存在でした。

この時、騒動となったのが「名古屋飛ばし」です。のぞみ号は、その速さをアピールするため、東京〜新大阪間を2時間30分で走る必要がありました。ところが、東京駅を朝6時に出る新大阪行きのぞみ301号は、他ののぞみ号が当時通過していた新横浜に停車するほか、深夜に線路メンテナンスを行なった区間を走る際、該当区間は速度を落として走る必要があり、このままだと2時間30分を越えてしまうという事情がありました。そこで、この1本に限り名古屋と京都を通過するという事にしたのですが、満を持してデビューする速達列車が名古屋を通過するという事態に、今後の扱いの不安を抱いた愛知の政財界から反発の声が上がり、国会議員をも巻き込む大騒動となりました。

その後、特殊な事情を抱えたこの1本だけであるという事をJR東海が各方面へ説明して騒動は徐々に収まっていったほか、工事技術の進化で徐行運転の必要が無くなったため、1997年に名古屋と京都の通過が解消。そこから現在まで、名古屋と京都には全列車が停車しています。

さて、デビュー当時は朝晩のみだったのぞみ号も、年数を重ねるごとに本数をどんどん増やしていきます。そして、誕生から11年経った2003年のダイヤ改正からは、1時間あたりの本数がひかり号よりも多くなり、東海道新幹線を代表する列車となりました。輸送力強化はその後も続き、現在は1時間あたり最大で12本ののぞみ号が運行可能なダイヤが組まれており、そこにひかり号2本、こだま号が最大3本入るので、全体的に見ると1時間あたり最大で17本走らせる事が可能となっています。

そんなのぞみ号30周年の今年、JR東海が注目のCMをスタートさせました。なんと、女優・深津絵里さんが出演しているのです！というのも、深津絵里さんは、1988年に放送されたJR東海のCM「ホームタウンエクスプレス X’mas編」で、新幹線のホームで恋人を待つ女性を演じています。このCMは、彼が現れず不安に思っていると、柱の影からムーンウォークで彼が登場して無事に会えたというストーリーで、多くの人の記憶に残っている伝説的なCMです。CMのラストでは、キャッチコピー「帰ってくるあなたが最高のプレゼント」のナレーションと共に、画面にはCMのキーワード「会うのが、いちばん。」が表示されています。

あれから33年。今回のCMでは、ビジネスパーソン役を演じている深津さん。しばらくリモートでの会議が続いていたのですが、久しぶりに対面での打合せをする事が出来た、1年半ぶりの大阪出張が舞台。その帰りに、ホッと一息ついた新幹線でホームを眺める・・という内容で、今回のキャッチコピーは「会うって、特別だったんだ。」となっています。

世界レベルでの困難を前にした今だからこそ響くこのフレーズ。きっと多くの人が共感するのではないでしょうか。「会うのが、いちばん。」から33年後に「会うって、特別だったんだ。」となる今回のCM。まるで伏線を回収するかのようだと大きな話題になっています。CM動画はYouTubeなどでも公開されていますので、是非チェックしてみてくださいね！