こだわりびとをたずねて「かねこ琴三絃楽器店」
毎月、第一、第二月曜日の17時からお届けしている「アピオ presents こだわりびとをたずねて」植松哲平が愛車ジムニーに乗って、こだわりを持つプロフェッショナル=「こだわりびと」を訪ねてお話を伺っていきます!
1月に哲平さんがジムニーで訪れたのは、東京都大田区千鳥にある「かねこ琴三絃楽器店」お話を伺ったのは、店主の金子政弘さん。
80年近く前に創業した「かねこ琴三絃楽器店」は政弘さんで2代目。元々琴の制作職人だったお父様が琴制作兼小売店に転向して現在の形に。琴の材料に「会津桐」を使用している関係で東京の工場の他に、福島県柳津町にメインの工場があるそうです。
そんな金子さんの工場には、いろいろと、見慣れないものが!大きなスピーカー!これは琴の演奏会などで録音用に使用していた音響機材にアレンジを加えご自宅で使用しているんだそう。聞いているのはダフトパンクだったりマイケルジャクソンだったり、洋楽ロック!ストレスがある時には爆音で聴きながら作業をしているんだとか!金子さん一家、実は大の音楽好き。ご家族もそんなに迷惑ではなさそうでした!
琴は、指に爪をはめて、それで弦を弾く、撥弦楽器(はつげんがっき)。
そんな、古くから伝わる琴にまつわるとある特許を取った金子さん。その名も「ハイブリッド箏」見た目は普通の13絃のお琴。知り合いの和楽器パンクバンドのプロデューサーから「金子さん職人だから、爆音の出るお琴作れない?」と言われたのがきっかけ。考えるのに3秒、制作に1ヶ月、改良に半年かけた金子さんに自信作です!
この琴は、普通のアコースティックで弾けるだけじゃなく、エフェクターに繋ぐことでさまざまな音色のエレキモードで”エレキ琴”として弾けるというもの!琴の裏板の音穴にコネクターが付いていて、ラインに繋げてスピーカーから音を出すことができます。
放送では、金子さんのご子息金子宜弘さんに尺八を、金子さんと旧知の中で生田流箏曲演奏、作・編曲を手掛け、ゲーム音楽を和楽器で演奏する集団『ファミ箏』代表でもある沖政一志さんにノーマルの琴で「春の海」を、
そして沖政さんに”エレキ琴”でニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」を演奏していただきました!
金子さんのこだわりは「綺麗な音」綺麗な音で演奏できる楽器が一番、弾いていて楽しい楽器、それがあることで演奏が長く楽しむことができる。聞き手としても音を追求している金子さん、実は30年ほど前に、琴製作の過程での削り方を変えていて、それの効果がとても大きかったといいます。そして何よりもお客様が欲しいと思っている音の出る楽器を出すことが大切なんだそうです。
かねこ琴三絃楽器店
〒146-0083 東京都大田区千鳥3-18-3
TEL/03-3759-0557
上智大学文学部史学科卒業。NHK邦楽技能者育成会第49期卒業。第3回東京邦楽コンクール奨励賞受賞。平成21年度宮城道雄記念コンクール作曲部門秀位入賞。2018年、全音楽譜出版社より『文化箏で二重奏!』を上梓。ゲーム音楽を和楽器で演奏する集団『ファミ箏』代表。
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