情熱の赤! #ワンマン車掌
今日も鉄分上がっちゃう話をお届けします!
ワンマン車掌の鉄分乗々↑↑
今日は・・
「情熱の赤!」
です。
香川県の高松を中心に走る高松琴平電気鉄道、通称「ことでん」という鉄道会社をご存知でしょうか!? この路線で今、神奈川で活躍していた京急の「赤い電車」が走っているんです!
というのも、ことでんには、過去に京急で活躍していた車両が多く譲渡されており、その車両の一つが京急旧1000形。1960年から2010年にかけて活躍した京急を代表する車両で、全身真っ赤な車体に細い白のラインが1本だけ引かれた、まさに「赤い電車」。扉は1両につき左右それぞれ3箇所ずつで、今のような2枚の扉が左右に開くタイプではなく、1枚の扉がスライドする片扉タイプでした。
しかし、ことでんへ渡った旧1000形は、車体のカラーが変わり、車両の下半分が黄色もしくは緑、そして上半分が白という2色使いになりました。車両自体は当時と同じなのですが、やはり色が違うので、そこまで京急感があるか?というと、やはり少し違います。
ところが、2018年に「ことでんで赤い電車が復活する!」というニュースが駆け巡ります。なんと、京浜急行がお金を出してラッピング広告として1編成を赤い電車にするというのです!このニュースに、「旧1000形を彷彿とさせる姿が見られる!」と、鉄道ファンの期待もヒートアップ!そして待望のラッピング車両が完成!・・・したのですが、完成したのは旧1000形のような真っ赤な車体ではなく、赤のほかに白や黒も使われている京急2100形を模したカラーリングでした。
というのも、京浜急行としては、昔の車両を再現するのが目的なのではなく、広告として「高松から飛行機で羽田に着いたら、そこから京急を使ってね!」という事をPRをするのが目的だったので、現在の会社の顔である2100形の車体を模したラッピングをしたのです。これには、熱心な一部の鉄道ファンから落胆の声もありましたが、これは企業がPRのために正規の金額を支払い実現したラッピング広告です。ですので、その企業が最もアピールしたいデザインにするのは当然で、企業は何ら悪くはありません。
とはいえ、やはり再び真っ赤になった旧1000形が見たい!という気持ちを捨てきれないファンの皆さんも多く、そこで、あるプロジェクトが立ち上がります。
なんと、鉄道ファン有志による
赤い電車実現のための
クラウドファンディングが行われることになりました!
京急、ことでんの両社に許可を貰い、広告主の権利を買い取る形であれば、旧1000形を模した赤の全面ラッピングを2年間させてもらえる事になったのです!
資金の募集期間は約3ヶ月。そして、必要な費用は1500万円!塗装費のほか、クラウドファンディングのリターンや手数料、宣伝費なども必要なため、かなりの高額でした。そのため、当初は難しいのでは?と思われたこの挑戦。しかし!実行委員の皆さんの熱心な活動、そしてことでんや京浜急行の協力などもあり、徐々に目標金額に近づいていきま、ついには終了直前に目標金額を達成!最終的には目標を100万円もオーバーするほどの資金が集まりました!
こうして生まれたのが、「還暦の赤い電車」です。1969年デビューし、当時間も無く60年という車両が、見事!京急時代を彷彿とさせる真っ赤な電車に生まれ変わったのです!
さらに、クラウドファンディングが終わっても、実行委員の皆さんは、リターン企画をはじめ鉄道ファンが参加したくなる様々な企画を実施。ことでんを少しでも盛り上げようと、一生懸命取り組んでいきます。そして、別の元京急車両を赤くする、第2弾のクラウドファンディングも実施。前回の実績が広く認知されていたためか、あっという間に目標額に到達し、2編成目も塗装が赤に変更されました!そのため、現在ことでんには、2つの「赤い電車」が走っています。
そんな赤い電車ですが、第1弾で赤くなった車両は、まもなくラッピングの契約期間である2年を迎えようとしています。運用終了後は工場へ入り、元の塗装に戻されます。特別な実施許可を貰って今回の赤い電車は実現しており、この期間はもともと決まっていた期間なので、ファンとしてはこのまま残してほしいところですが、残念ながらこのカラーとはお別れとなります。
ですが、この企画は、鉄道ファンの熱量を上手く活用して経済的問題なども解決しつつ、地方の鉄道会社を盛り上げるという、とても大きな功績を残しました。昨今、鉄道ファンの熱量の暴走による迷惑行為やトラブルがクローズアップされる事が多くなっていますが、その熱量も上手く活用すれば、こういう事が出来るのです!
このコロナ禍で、都市部の鉄道各社ですら軒並み大打撃と言われているのですから、地方の各社はもっと厳しい環境に置かれています。一方、鉄道は趣味界隈の中でも、特に人口が多いジャンルです。1人では微々たるものかもしれませんが、それが何人も集まればとても大きいエネルギーを持ちます。鉄道ファンの熱い情熱が生んだこの「赤い電車」の復活。これからの鉄道業界に希望の光を与える事例ではないでしょうか!?そして、実は全国各地の鉄道会社には、一般の人も簡単に参加できる広告が結構あるんです!今後も随時ご紹介していきたいと思います!
さて、本日、車掌がお届けしたナンバーは、
「くるり」の『コトコトことでん (feat.畳野彩加)』でした!
昨年末にリリースされたくるりのニューシングルからの1曲です。2011年のことでん開業100周年の際に発表され、2018年からは瓦町駅の発車メロディとして流れています。今回のシングルは、1曲目がこの曲。そして2曲目が京急線の事を歌った名曲「赤い電車」の別Ver.となる“追憶の赤い電車Ver.”を収録。完全生産限定盤は、7インチの紙ジャケ仕様で、可愛らしいことでんカラーと赤い電車のイラストが描かれています。なお、ことでんや京急のオンラインショップ、京急の公式グッズショップなどで完全生産限定盤を購入すると、数量限定でオリジナルマグネットのオマケ付き!是非チェックしてくださいね!
というわけで、
今日もご乗車ありがとうございました!
この回の模様は、2月18日(木)の29時まで
radikoの↓タイムフリー↓で聴けます!
今日は16:17頃から始まってます!
(ちなみに、冒頭で「琴平電気鉄道」と喋っていますが、正しくは「高松琴平電気鉄道」です。申し訳ございません。)
来週もお楽しみに!
ひとつ前の記事
ずっと薄っすらスベってるラジオ #HANDSIGN #ごきラジ(HANDSIGN 7down 8up)ひとつ新しい記事
2月12日(金)メールテーマ:自分史上最大のドキドキしたおハナシ(本日のTresen)